美容師が個人事業主として働くとは?

2022.04.13

近年、働くスタイルを見直している人も多いと思います。美容師もひとつのサロンだけで働くのではなく、個人事業主としてフリーで働くこともできます。個人事業主として開業・独立するための方法や、独立後の節税対策についても紹介します。個人事業主として働くことに興味がある方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

個人事業主とは?

まず個人事業主とは、法人を設立せずに個人で働いている人のことです。税務署に開業届を提出することで、個人事業主として働くことができます。「フリーランス」も個人事業主のひとつです。

美容師もフリーランスになれる?

美容師もフリーランスになることができます。特定のサロンで雇われて働くのではなく、自分で店舗を開業したり、シェアサロンや業務委託という形で勤務するフリーランスとして働くことができます。シェアサロン・業務委託・面貸しは初期費用を抑えて開業することができるのでフリーランス美容師になりたての方におすすめしたい働き方です。

個人事業主として働くと、時間を自由に使うことができます。その反面、美容師として技術面の提供だけではなく、お店を経営していくマネジメント力やお客様を集客する力が必要になります。

個人事業主として働くのに向いている人の特徴を紹介します。

・受け身ではなく、何事にも挑戦する意欲のある人

・たくさんの人と自分からコミュニケーションをとれる人

・自己管理やスケジュールの管理ができる人

・お金の仕組みについて学ぶことができる人

個人事業主として働くというのは自分一人で全てを行わなければならないので、成長意欲の高い人には向いている傾向があります。

反対に個人事業主として働くことに向いていない人の特徴を紹介します。

・安定した給料を求めている人

・困難なことに挑戦する気持ちがない人

・スケジュールやお金の管理ができない人

・SNSやネットを上手く活用できない人

個人事業主は給料が安定しづらいという点がデメリットです。デメリットに打ち勝つ意欲や、SNS等を使った集客力が個人事業主として働く上で必要不可欠な力になります。

 

美容師が個人事業主になるための手続きについて

個人事業主として働くために必要な手続きがあります。予めスケジュールを立てて余裕をもって準備をしていくことが大切です。

個人事業の開業・廃業等届出書

はじめに、「個人事業の開業・廃業等届出書」の提出が必須です。開業してから1か月以内に必ず提出するようにしましょう。この時、「青色申告承認申請書」も一緒に提出するといいでしょう。フリーランス美容師であれば白色申告よりもメリットの大きい「青色申告」をおすすめします。

国民健康保険

次にフリーランス美容師として働く際に、健康保険を「国民健康保険」に切り替えなければなりません。退職日から14日以内に市区町村の窓口で手続きができます。事前にこちらの3つを準備しておきましょう。

・健康保険資格喪失証明書(または退職証明書)

・マイナンバーカード(通知カードなど番号が分かるもの)

・本人確認書類

国民年金

厚生年金に加入していない人は、国民年金に加入しなければなりません。退職後14日以内に市区町村の窓口で手続きができます。「年金手帳(または基礎年金番号通知書)」を準備していきましょう。

美容所登録

店舗をオープンする場合は保健所に「開設届」を提出し「美容所登録」が必要です。保健所が定めた構造設備などについて、基準を満たしているか検査を受けて合格する必要があります。

節税対策が大事

個人事業主になると、税金は給与から天引きされなくなります。つまり、自分の1年間の所得に応じた納税をしなければなりません。個人事業主が納める税金のうち、「所得税」は所得額によって納税額が変動します。所得額が増えるほど、納税額も増えるので節税対策が大切になります。

課税負担を少なくするために、経費計上を上手く活用することが必要です。個人事業主は事業を行う上で必要な費用を「経費」として、売り上げから差し引くことができます。「経費」の主な例はこちらを参考にしてみてください。

・消耗品(シャンプー・カラー剤)

・交通費

・接待交際費(食事を伴った会議なども含まれます。)

・研修費(セミナー・外部研修)

・宣伝広告費(チラシ作成)

・図書費(お客様用雑誌)

青色申告を利用する

青色申告を利用する場合、開業届の提出とともに「青色申告承認申請書」も提出している方が対象です。複式簿記で帳簿を付けたり、提出する書類が白色申告よりも多いのがデメリットですが、フリーランス美容師にとってはメリットの方が大きいのでおすすめです。

青色申告のメリットは次の項目があげられます。

・最大65万の所得控除がある

・3年間分の赤字が繰り越せる

・家事関連費が計上できる

※事業用で使用している場合の家賃・光熱費・水道費の事業用費用が50%以下でも費用計上できます。

 

美容師で個人事業主として働くために

美容室が個人事業主として働くということは、美容師としての技術力だけでなく経営者としての責任感や経営力なども必要になります。今回は、個人事業主として働きはじめるために事前に準備しておくべきことや手続きについて紹介しました。様々な手続きが必要になってきますので、できるだけ早めにとりかかりましょう。

 

監修者:珠実

日本最大級のシェアサロン GO TODAY SHAiRE SALON 取締役であり、現役美容師でもある。サロンワークのほかにもセミナー講師、人材育成など幅広く活動。

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この記事を書いた人

GO TODAY シェアサロン

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