2022.02.24
フリーランス美容師の収入の仕組み
2022.04.15
昨今、年収アップが期待できる働き方として広がりを見せている、フリーランス美容師。彼らは実際に、どのようにして収入を得ているのでしょうか?現役フリーランス美容師である筆者が、お答えします。
INDEX
面貸しで仕事をした場合の収入の仕組み
面貸しの収入は、その「月の売上」から「ロイヤリティ」と「経費(材料費など)」を差し引いた額になります。「ロイヤリティ」には、地代や水道光熱費など諸々が含まれています。
面貸しの場合、「指名売上」が重要
面貸しを雇う美容室(=「シェアサロン」と呼びます)では、自分で顧客を集客、管理することになります。そのため売上は全て「指名売上」です。
「指名売上」とは、指名されたお客様からの売上のことです。『「自分」という「商品」が選び取られて購入された』形になるため、自分の力が数字に表れる、美容師にとって大きな評価軸です。
そのため、自分を指名して下さるお客様を、どれだけ新しい職場に呼び込めるかによって、売上は大きく変わります。
また「ロイヤリティ」の割合はシェアサロンによって異なります。シェアサロン側との契約内容によって、売上の10%〜50%のロイヤリティを会社側に支払う形です。
面貸しの給料の具体例。ロイヤリティが20%の場合、30%の場合
「ロイヤリティ」はシェアサロンによって様々です。割合が高いほど負担が大きくなるため、慎重に選ぶ必要があります。
では具体的に、ロイヤリティが20%、30%で売上に対しての報酬は、どう変化するのでしょうか。具体例として、70万円の「指名売上」、10%の「経費」と想定して、給料を計算してみました。
[面貸しの給料の計算の仕方]
指名売上ーロイヤリティ=報酬
報酬ー経費=利益(給料)
【ロイヤリティ20%の場合】
¥700,000ー20%=¥560,000
¥560,000ー¥70,000=¥490,000
【ロイヤリティ30%の場合】
¥700,000ー30%=¥490,000
¥490,000ー¥70,000=¥420,000
業務委託で仕事をした場合の収入の仕組み
業務委託の場合、美容室側が「集客」したお客様を「担当した売上」から報酬を受けます。「集客」は美容師にとって、最も難しい仕事です。「集客」を会社側が費用をかけて一任することで、分業されています。
業務委託の場合、「美容売上」が重要
業務委託の場合、その月の「美容売上」が基準になります。
「美容売上」とは、担当し施術した全ての売上のことです。
業務委託の給料の具体例。売上の半分が報酬の場合
業務委託では「美容売上」の40%〜60%を分配して報酬として受け取ることが多いため、人数をこなすほど、売上は上がります。
また「指名売上」の場合、70%〜100%で分配されることもあります。
同じく具体例として、70万円の美容売上、50%の報酬と想定して、給料を計算してみました。
[業務委託の給料の計算の仕方]
美容売上ー会社側の分配=報酬(給料)
¥700,000ー50%=¥350,000
フリーランス美容師が収入アップできる理由
美容師は会社員からフリーランスに転向すると、収入アップしやすい傾向にあります。その理由は、「成果報酬」と「フリーな時間」にあります。
時給換算した比較、拘束時間ではなく成果報酬でアップする
フリーランス美容師は、予約の無い時間に美容室に滞在する必要はなく、会社員での労働時間=拘束時間とは異なります。そのため「労働時間」が減り、効率よく稼ぐことができます。
例えば、70万円の売上の美容師の場合↓
【会社員】
1ヶ月の出勤日数が25日、営業時間が11時〜20時とすると、1ヶ月に225時間の労働をするので、1時間の売上は3111円。
【フリーランス】
70万円の売上は、客単価が7000円の場合、100人のお客様を担当することになります。1人につき2時間の施術としても、1ヶ月の労働は200時間で、1時間の売上は3500円。
面貸し、業務委託の場合、労働時間は25時間短縮でき、時給換算すると389円増収しました。余った時間は、休むも働くも自由です。
つまり、売上を上げられる美容師にとって、成果報酬は効率の良い働き方であると言えます。
フリーな時間は副業に使ってアップする
今までの拘束時間の中での生活では、副業の選択肢は難しかった方も多いと思います。1日、1ヶ月の時間配分を明確にできれば、余った時間で副業に力を入れることも可能です。
注意!フリーランス美容師は経費がかかります!
月々の基本的な出費は、契約した美容室に支払う「ロイヤリティ」、営業に欠かせない「材料費」、仕事上必要になる「雑費」です。
当然ですが、出費がかかるほど利益は減ります。流動性のある「材料費」「雑費」にどれ位の出費がかかるのか、把握できるようにしましょう。
ロイヤリティと材料費と雑費
「ロイヤリティ」は、月の売上から計算されます。その都度計算すれば明確になり、月々の大きな変動は少ないです。
「材料費」は、「材料は個人で管理する」契約の場合に必要になります。開業時の準備には初期費用がかかりますが、その後の“買い足す分”が月々の基準になります。
「雑費」は、どこまで経費に計上できるのかが曖昧です。確定申告の時に「仕事上必要な出費」と言える物は、必ず計上しましょう。
ちなみに会社員美容師のお給料はいくら?
会社員美容師のお給料は、大きく分けて「基本給」と「歩合給」に分けられます。
基本給
出勤した事に対するお給料です。通勤費など、基本的に上下しない要素は「基本給」と捉えています。
歩合給
美容師にとって、「美容売上」と「指名売上」に対する歩合給が大きな収入源です。
会社によって歩合の割合は明記され、売上が高くなるほど待遇されるようになります。反対に、「繁忙期」「閑散期」など、その月の売上に影響されやすいため、一般的な会社員よりもお給料は変動しやすいです。
まとめ
多くのフリーランス美容師がその道を選ぶ理由は、キャリアアップの手段になるからです。今の収入に満足していない、働く環境に疑問を抱いている方は、トライしてみることをオススメします。
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監修者:珠実
日本最大級のシェアサロン GO TODAY SHAiRE SALON 取締役であり、現役美容師でもある。サロンワークのほかにもセミナー講師、人材育成など幅広く活動。
この記事を書いた人
GO TODAY シェアサロン
それは「自分」「仲間」そして「お客様」と、共に育み成長していけるサロンです。完成された姿で始まるのではなく、シェアサロンに関わるすべて人たちで共に創り上げる『成長型サロン』。新たな価値を創造する「喜び」「楽しさ」「ワクワク感」を共感していける、そんなサロンであり続けたいと思います。
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