【ミラーレンタル】面貸しで美容室を借りるメリットとデメリット

2022.04.12

今まで美容師と言えば、正社員として美容室に所属しているか、サロンオーナーとして店舗を開いているのが定番の働き方でした。しかし、近年ではどこの美容室にも所属しない「フリーランス美容師」としての働き方が定着しています。

元々、日本では1990年代から美容室が知り合いの美容師に「場所を貸す」という行為が行われていました。「面貸し」「ミラーレンタル」とも呼ばれるこの働き方は、海外でも一般的な働き方の一つではありましたが、2000年代に美容の求人誌が特集記事を組んで紹介したことが、キッカケになり全国的に普及が進みました。

面貸し・ミラーレンタルとは?

フリーランス美容師にとって「面貸し」で働くことは、美容室の席をレンタルして、自分の顧客に美容のサービスを行うことです。美容室にオーナーとの雇用契約はなく、お客様の予約連絡や受付、施術、使う薬剤の準備までを全て自分一人でこなします。集客を自分で行う必要があるため、ある程度の固定顧客がいる美容師であれば、正社員で働いている美容師よりも高い給与をもらうことが可能です。

業務委託サロンやシェアサロンとの違い

フリーランス美容師には「面貸し」だけでなく、業務委託サロンやシェアサロンで働く方法もあります。同じフリーランスの働き方でも大きく違いはあるので解説していきます。

業務委託

業務委託では契約先のサロンの一員として働き、サロンのルールや価格設定に基づいて働きます。集客や備品の調達は契約サロンがすることが多く、サロンから業務を委託されているだけなので、雇用契約者よりも休みなども比較的自由に取ることができます。

シェアサロン

面貸しと似ているのがシェアサロンで、面貸しとシェアサロンとの違いは「サロンの運営体系」です。シェアサロンは元々フリーランスをターゲットにしたサロン形態で、すべての席を貸し出しています。

面貸し

面貸しは通常のサロンの空きスペースを、空き時間や営業時間外に貸し出すことです。面貸しが発展したものがシェアサロンと覚えて置くと良いでしょう。

面貸しで働くメリット

面貸しで働くフリーランスの美容師が増えてきている理由にはそれなりのメリットがあるからです。次は面貸しで働くメリットについてご紹介していきます。

営業日や休日などを自分の都合で決められる

面貸しでの最大のメリットとも言えるのが、営業日や休日を自分の都合で決められるということです。

子育て中の美容師や、美容師以外の事業を考えている人、旅行などの長期休暇など、自分で全てのシフトを組むことができるため、プライベートと仕事の両方を充実することができます。

煩わしい人間関係がない

面貸し美容師には煩わしい人間関係がないため、ストレスなく働くことができます。美容業界は上下関係が厳しく、サロン内での人間関係が疲れることも多いのですが、深い絆を築く機会もまた多くあります。仲の良い先輩や後輩や同期が独立開業した店舗で面貸しで働く場合がとても多いです。

自分で美容室を開業するよりもリスクが少ない

独立して開業するには、サロンの家賃や水道光熱費、広告費など、その他諸々の経費が必要になってきます。また来客数は変動するのに対し一定の経費がかかるためサロン運営にはそれなりのリスクが伴います。面貸しなら必要経費は材料費と顧客の予約のための通信費くらいなので、リスクも少なく独立することが可能になります。

面貸しで働くデメリット

面貸しのメリットをご紹介していきましたが、独立してフリーランスになるということはリスクやデメリットも知った上で働く必要があります。次はフリーランスならではのデメリットもご紹介していきます。

収入が安定しない

全てのシフトや顧客管理を自分で行うため、収入は安定しない場合があることも頭に入れておいた方が良いでしょう。安定した収入にするためにはたくさんの顧客を抱える必要があるため、すでに持っている顧客だけでなく、SNSなどでも集客できるような集客力もつける必要があります。

事務作業が大変

フリーランス美容師は個人事業主になるため、確定申告のための売上記帳や税金の計算などの事務作業を全て自分で行う必要があります。また開業届や青色申告の手続き、国民健康保険の加入、国民年金の手続きなども必要です。

備品の管理が面倒くさい

備品も全て自分で管理する必要があるため、細かい管理が苦手な人には負担になります。一方でこだわりの薬剤や、気になっている薬剤なども、サロンの許可を通さず試すことができるのでそういったことが楽しめる人はいいかもしれません。

面貸しで起こりうるトラブル

フリーランスでやっていると、正社員の時はサロンが責任を負っていたトラブルも自分で負っていくことになります。また、契約先の美容室ともトラブルが生じる場合があるので注意が必要です。次は面貸しで起こりうるトラブルについてもご紹介していきます。

お客様とのトラブル

カウンセリング不足や、技術レベルの不足でお客様とのトラブルが生じる場合があります。お客様の矛先が契約先の美容室に向くこともあります。また、そういったクレームに対しても真摯に対応しなければ大きなトラブルを招くことになりかねません。最悪の場合、裁判に発展する可能性もあるでしょう。

事前に施術をするときのリスクをお客様にしっかり説明することや、不安な場合は契約書などにサインをもらうとトラブルの回避にもなります。また、安請け合いをせず、できない施術にはしっかり「できません」と誠実に伝えることも大切です。

美容室側とのトラブル

美容室側とのトラブルには主に金銭面でのトラブルが多いです。「言った」「言わない」などのトラブルが特に多く、条件交渉時にそういったトラブルを回避するための対策はお互いに必須です。

金銭面の条件は細かく設定しておいた方が無難です。歩合の割合、光熱費や材料費の負担額、サロンのアシスタントを借りた場合の費用など細かく書面で確認しておきましょう。契約更新の方法や取り決めにないことを決める方法も必要です。

契約書はお互いに保存する、常に確認できるようデータで所持するなど、何かあったときに書面で確認できるようにしておくことをおすすめします。

まとめ

今回は面貸しについて解説していきました。フリーランスは集客や事務作業、トラブル回避など大変な部分も多いですが、その分メリットも大きいです。

時間の使い方も自分で全て決めることができるため、「自由に働きたい!」というフリーランス美容師にはとてもおすすめできる働き方です。

「フリーランスで活躍したい」と考えている人はぜひ面貸しでの働き方を視野に入れて見てはいかがでしょうか?

 

監修者:珠実

日本最大級のシェアサロン GO TODAY SHAiRE SALON 取締役であり、現役美容師でもある。サロンワークのほかにもセミナー講師、人材育成など幅広く活動。

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この記事を書いた人

GO TODAY シェアサロン

それは「自分」「仲間」そして「お客様」と、共に育み成長していけるサロンです。完成された姿で始まるのではなく、シェアサロンに関わるすべて人たちで共に創り上げる『成長型サロン』。新たな価値を創造する「喜び」「楽しさ」「ワクワク感」を共感していける、そんなサロンであり続けたいと思います。

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